食と社会

「すごいね」と言われるお店に。かえで子ども食堂が育てた、働く人の誇り

取材・文:日本フードリンクメディア編集部

2026年10月10日(土)、新潟県胎内市の「かえで食堂」で、今月の「かえで子ども食堂」が開かれました。秋晴れの空の下、店の駐車場にはテントが並び、シャボン玉を追いかける子どもたちの声が響きました。

かえで子ども食堂は、2024年11月にスタートしました。以来、毎月第2土曜日に開催を続け、2025年度は13回開催しています。地域への貢献を目的に、毎月少しずつ積み重ねてきた取り組みです。

開催要領は、日本フードリンクのホームページ「News」でお知らせしています。

10月10日、秋晴れの駐車場で

この日は、子ども食堂にあわせて、店の駐車場で「つつじが丘マルシェ」を開催。かえで食堂は店内だけでなく駐車場もにぎわいました。

つつじが丘マルシェの会場で、シャボン玉パフォーマーが青空に大きなシャボン玉を飛ばす様子
かこちゃんのシャボン玉ショー。秋空に舞い上がる大きなシャボン玉に、子どもたちが手を伸ばした

大きなうちわ型の道具でつくるシャボン玉に、子どもたちは夢中です。風に乗ってふわりと広がるシャボン玉を、小さな手で追いかけていました。シャボン玉を披露してくれたのは、パフォーマーの「かこちゃん」です。

テントの下では輪投げコーナーも。床に置かれた果物の絵をねらって、真剣な表情で輪を投げる姿が見られました。輪投げコーナーを担当してくれたのは、英会話スクール「イリノイアカデミー」のみなさんです。

テントの下で輪投げに挑戦する子どもたち
イリノイアカデミーの輪投げコーナー。果物の絵をねらって挑戦

マルシェの出店テントには、胎内市特産の米粉を使ったシフォンケーキやクッキーシューなどのお菓子が並び、ハロウィンのクッキーを前に、子どもたちが品定めをする姿も。キッチンカーも出店し、食堂の外でも「食」を楽しめる一日となりました。

米粉のお菓子が並ぶマルシェのテントで、お菓子を選ぶ子どもたち
胎内市産の米粉を使ったお菓子が並んだ、つつじが丘マルシェの出店テント

かえで子ども食堂とは

かえで食堂は、胎内市長橋にある食堂です。唐揚げやたれカツ丼、そば、お弁当などを、11時から14時まで提供しています。

青空の下のかえで食堂の店舗外観
胎内市長橋のかえで食堂。唐揚げやたれカツ丼、お弁当などが人気

子ども食堂の日は、未就学児は無料、小中学生は100円で、店内のお好きなメニューを一品選ぶことができます。子ども食堂のために用意した特別なメニューではなく、いつものお店のメニューの中から、その日に食べたいものを自分で選べる。それが、かえで子ども食堂の特徴です。

地域の子どもたちと、子育て世代のために

子ども食堂を始めたきっかけは、「地域の子どもたちや子育て世代に喜んでもらえるようなお店をつくりたい」という思いでした。

日本フードリンクは、給食を通じて毎日、地域の子どもたちの食に関わっています。かえで子ども食堂は、その地域とのつながりを、まちの食堂という身近な場所でも形にする取り組みです。

地域のみなさんに支えられて

開設にあたっては、社会福祉協議会(社協)の力を借りました。準備期間中は、新潟市の社協から情報をいただいたり、すでに子ども食堂を運営している事業者の方とつないでいただいたり。開設の際には、胎内市の社協が回覧板を使って、周辺地域への周知に協力してくださいました。

スタート直後には、地域情報サイト「まいぷれ新発田」(2024年11月18日)や「市報たいない」(同年12月1日)にも取り上げていただきました。

2025年1月からは、新潟食料農業大学との連携も始まりました。大学構内の圃場で採れたサツマイモなどを、社会貢献の一環として、子ども食堂の利用者のみなさんに無償で提供していただいています。2025年のつつじが丘マルシェでは、大学の実習授業で学生が育てた胎内産コシヒカリを学生自らが販売したほか、胎内産の農作物にこだわる学生サークルも出店し、会場を盛り上げてくれました。

2025年3月には、ご飯メニューを注文した方へのご飯おかわり無料サービスを開始。同年4月には、NPO法人全国こども食堂支援センター・むすびえの「2025年度受け入れ協力こども食堂」に申し込み、取材や見学、食材寄付を受け入れる子ども食堂になりました。現在も登録を続けており、むすびえを通じて、新潟ケンベイさまから「お米券」のご寄付をいただいています。

子ども食堂は、お店だけで続けられるものではありません。社協、大学、むすびえやご寄付をくださる企業、そして地域のみなさん。たくさんの支えがあって、毎月の開催が続いています。

「あなたのお店、すごいね」

続けていくうちに、思いがけない変化がありました。店舗で働くスタッフから、こんな声が聞かれるようになったのです。

あなたが働いているお店で子ども食堂をやってるなんてすごいね、と言われることが増えました

周りの人からかけられる、何気ないひと言。けれどもそれは、自分の働く場所が地域の役に立っていることを、外から教えてくれる言葉でもあります。

子ども食堂の活動を通して、スタッフの仕事に対する誇りが生まれたこと。それが、この取り組みの一番の収穫でした。

地域のために始めたことが、気づけば、働く人自身を支える力にもなっていた。子どもたちに一食を届けることと、働く人が自分の仕事を誇れることは、きっとつながっています。

かえで食堂の看板の前で笑顔を見せる当社社員と社長、シャボン玉パフォーマー
かえで食堂の看板の前で。左から、当社産業事業部の中村、齋藤社長、シャボン玉パフォーマーのかこちゃん

一食で、地域とつながる

日本フードリンクは、新潟で給食に携わる企業として、食を通じて地域の健康と暮らしを支えることを大切にしてきました。給食で毎日届ける一食も、子ども食堂で手渡す一食も、地域の誰かの毎日につながっています。

かえで子ども食堂は、これからも毎月第2土曜日に開催します。お近くの方は、ぜひ親子で足を運んでみてください。

開催情報

かえで子ども食堂の案内チラシ。参加費は未就学児無料、小中学生100円
かえで子ども食堂の案内チラシ
名称かえで子ども食堂(会場:かえで食堂)
開催日毎月第2土曜日
時間11:00〜14:00(ラストオーダー13:45)
参加費未就学児 無料/小中学生 100円(店内のお好きなメニューを一品お選びいただけます)
所在地〒959-2637 新潟県胎内市長橋224
電話0254-28-7886

最新の開催要領は、日本フードリンクのホームページ「News」をご覧ください。